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第6回 歴史と伝統と心を繋ぐタスキリレー

学校の創立記念を祝う周年行事は概ね10年ごとに行われておりますが、真和志小学校は県内の小学校のなかで1番歴史の古い学校として有名です。創立は明治13年3月5日(1880年)、琉球が沖縄県になって間もなく真和志小学校として開校をしています。真和志小学校の創立当初は那覇市上間の現上間郵便局近くにあり、その後はほぼ今の敷地の近いところにありました。
戦時中の頃には、子どもたちの多くは南部に避難しており、そこで終戦を迎え、これから平和な世界を築こうと昭和21年2月1日摩文仁村米須において、真和志小学校はあらたに開校し戦後教育がスタートしました。その後昭和21年5月4日豊見城村嘉数に移転しました。そして翌年の昭和22年1月12日に元の場所である那覇市寄宮に戻ってきました。
戦後間もないころの真和志小の学校移転を知ることになったのは、今から6年前の創立130周年に向けた取り組みの一つに、「新たな歴史をつくる 歴史探訪」を合言葉に戦後の歩みを当時の小学生だった方々に聞き取りと現地の調査を一緒に行い、糸満市米須と豊見城市嘉数に当時の所在地を確認しました。


この調査をきっかけに、戦後の真和志小の歴史を今の子どもたちにどのように伝えて行けばいいのか、思案する中で思いついたのが「歴史と伝統と心を繋ぐタスキリレー」です。
歴史を振り返り悲惨な戦争を二度と起こしてはいけない、その思いをタスキに託し真和志小の伝統を受け継ぐタスキリレーを開催しました。この記念事業を実行するに当たり、専門委員会で案を練り、その案を決定する会議が幹事会でした。
専門委員会での話し合いにはPTA役員、学校職員、PTAOBの約10名で話し合いました。タスキリレーの目的、内容、日時、予算、役割等々のたたき台を提案し、ここで皆さんの賛同が得られなければ、計画はボツになります。
ひと通り緊張の中、説明を終え皆さんから意見を求めると担当職員の先生が「ぜひ、やりましょう。とても良い取り組みだと思います」それを聞いた瞬間に、この計画は80%成功した、と確信しました。
その時に先生方から消極的な意見や、反対意見が出ると、それを覆す労力がいります、無理やり押し通して開催しても良い結果は得られません。その先生は臨時の女性職員でしたが、その一言が事業を後押ししてくれた事は間違いありません。



妊婦さんに席を譲るイメージ

このようにして「歴史と伝統と心を繋ぐタスキリレー」は開催されました。糸満市米須から真和志小まで約17キロの道のりを子どもたちと、保護者、先生方でタスキを繋ぎ走りました、最終ランナーは校長先生と、それを追う子どもたち20数余名が学校の正門へ入り運動場を半周してゴールしました。

当日はテレビ、新聞のマスコミも取材に来て頂き、テレビのニュースでも流れ話題になりました。130周年記念誌にはそのタスキリレーに参加した子どもたちの感想が載っており、「タスキリレーが楽しかった、またやりたい」「お父さんと走って楽しかった」などの感想があり、やってよかったと思いました。
 

事故や怪我もなく安全に最後まで走る事が出来てひと安心でした。この記念事業は子どもたちが創立130周年に在校していたと言う証を心の中に刻んでもらいたい、それも大きな目的の一つでした。
周年行事の収入の大半が学校施設充実に使用されることが多く、もちろん施設充実も直接的間接的に子どもたちの教育環境に欠かせない重要な事ではありますが、施設に関しては出来る限り市や教育委員会でしっかり行って欲しい。
妊婦さんのマーク

最後に昔の日産自動車のコマーシャルに「モノより思い出」と言うキャッチコピーがありましたが、これこそモノより思い出になる取り組みだったと感じます。
 

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